2019年06月16日
臼間調製機能付手挽石臼 の話
ムズカシイ石臼を引き受けた話でも。
数ヶ月前、石臼で炒った大豆を二つ割り〜四つ割りにしたいという話をいただき、
なんでもその昔々に石臼挽きでそのような二つ割り〜四つ割りにしていたんだそうで、
その石臼をメンテナンスするか、ダメなら新しい臼を作成してもらいたいとのことなのだが、
持参いただいた昔々使っていたという石臼は、3〜4mmの小石混じりの堆積岩で、上臼はかなり薄くて軽くできていて、目立てのパターンも特殊なもので、
う〜ん、、、困った、
この臼は明らかにメンテナンスが必要だが、メンテナンスし直したとしても大豆を二つ割り〜四つ割りにできるかどうか、、、
そもそも石臼は粉を挽くものであって、大豆を割るとなると、 そてって石臼じゃなくて、ミルとかなんか違う機械で割った方がいいんじゃないかな??
そんなことを思いつつ、
そうだ! 上臼を浮かせればいいじゃん!!

そこで、以前リノベーションした石臼 ↑ の 心棒の穴にボルトやワッシャを入れて、上臼を浮かせて試し挽きしてみると、
うん、二つ割り〜四つ割りよりかは細かくなってしまうが、 まぁ、こんな方向性でいいんじゃないかってことになり、臼間を調整できる(上臼を浮かせる)臼を作成することに。
石臼のリノベーションの話
オイラは石臼を作る人で、あまり販売には力を入れてないので在庫として置いていなくて、
いくら暇なオイラでも作成するには1ヶ月は時間が必要で、チョイと忙しい今の時期だとそれ以上必要、
そのお客さんは、そんなにも待てないとのことで、試挽きで使ったこの臼を改造することに。
さて、「上臼を浮かす」 言葉で言えば簡単だが、どうしたものか、、、
そこで、製粉機械のプロフェッショナルの先生に相談したところ、とてもいい案をご教授いただき、
作成開始!

下臼に ↑ こんな感じに穴あけをして、真鍮製の軸受を、

接着して、

上臼にも軸受をハメて、

心棒(シャフト)に セットカラーを取り付けて、

そう、このセットカラーを上下することで、臼の隙間の間隔が変わるのだ。
完成したので試挽きでも、

これでいいのかな??
お客さんに引渡しをして1ヶ月ほど経つが、なんの連絡がないので、この 『 臼間調製機能付手挽石臼 』 煎り大豆の二つ割り〜四つ割りは成功したようだ。
Posted by 石工職人ヤマグチ at 12:38│Comments(0)
│石臼のはなし