ハローワークさんがやってきた

石工職人ヤマグチ

2010年03月15日 21:48

二週間ほど前のこと、

工場で仕事をしていたら、スーツ姿の男性が訪ねてきた。
オイラは見るなり、お客さんではなく何かの営業だと直感、
そのスーツ男性の首から名札がぶら下がっており、 「ハローワーク」と書いてあった。

ハローワークさんから話しかけられる前に、オイラは、
「転職したいんだけど、いいところ紹介してくれない?」
挨拶代わりに軽く冗談、

ハローワークさんの目的は察しが付いたが、話を聞くと、
20代半ばで、石を加工する石工職人になりたい人がいて、
ヤマグチさんは、技能五輪にも出場して、腕のいい人だと聞いたので、
出来れば彼を雇ってもらえないか、、、

やはり察しの通りの話だった。

世の中、カッコイイ職業はいくらでもあるのに、なぜ石工職人に?
寺内貫太郎一家をテレビで見た世代でもない、20代男性がなぜ?と思いながらも、
※下記参照

ウチはオヤジと2人で精一杯、とてもじゃないけど、雇うことは無理だと丁重にお断りし、
(20代半ば、石工職人希望の方、ごめんなさい)

この業界で求人があるとすれば、元気のある墓石ブローカーで、
(仏壇屋・葬祭関係・異業種からの参入の墓石販売店)
今は中国から墓石がやってくる時代なので、現場職人か営業の仕事しかなく、
加工させてもらえる所はまずないと、今の墓石業界の状況を説明した。

その事は、ハローワークさんもごよく存知だった。

オイラは職人で、腕は良いが(自慢です)、商売が下手、
なので売り上げがよくない、
したがって、人を雇えない、
人を雇えないということは、後継者が育たない、
それは日本全国の腕の良い石屋さんに言えること、

今後、石工の技術、文化の衰退が目に見えている。

う~ん。。。どうにかしなければ、、、

いつの日か、小学生の男の子のなりたい職業ベスト5以内に、「石工職人」が入ることは絶対にありえないが、
石工の技術、文化を後継する人材が育ってほしい。

なんてことは、オイラが考えてもどうにもならない。

ただ、オイラは毎日 真剣に石と遊び、石工の仕事の楽しさを、ブログを通じて少しでもアピールできればいいかな。。。



                      

寺内貫太郎一家について簡単に説明しよう、

寺内貫太郎一家とは、東京下町で石屋を営む一家の話、
1974年にTBSにて放送された、大人気ドラマ。
主人公は、小林亜星演じる、石工職人 寺内貫太郎、

寺内貫太郎は、昭和の頑固オヤジで、とても気が短く、喧嘩っ早い。

必殺技は、ちゃぶ台ひっくり返し。


同じ石工職人でも、ウチには、貫太郎以上に怖いかみさんがいるので、
オイラは、ちゃぶ台ひっくり返すような、度胸はない。

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