重たい石を寝かせる話

石工職人ヤマグチ

2018年12月05日 17:43


 
 
えーっと、  

石屋ってのは重たい石を どうのこうの する仕事でして、、、




2.5トン弱の重さの石を起こしたのはいいが、  いゃぁ〜  寝かせるのが怖くて、、、

石を起こすのが危険度 2 だとすると、 寝かせるのは 8 とか 9 とか 、 とにかく怖くて 。







倒れる瞬間に、クレーンのワイヤーが緩んでいたら、万有引力により石は一気に倒れ、クレーンが大破する。

なので、上図のように、石の片側を、石の重心が倒れるギリギリまで上げながら、 方や倒れないようにクレーンのワイヤーを張るという、

とても神経の使う、生きた心地がしない作業なのだ。






現在では石を持ち上げるに ↑ こんな感じの、油圧で上がる『爪ジャッキ』 が支流なのだが、




今回、使ったジャッキは、『箱ジャッキ』 





< ↑ 箱ジャッキ  この写真はネットからお借りしてきた >


ガワタが木製って、いつの時代のジャッキだ? 戦前とか? ハンドルをグルグル回すと持ち上がる、機械式のジャッキで、 

『ガワタ』 って漢字が解らなかったので調べたら、 ガワタ は長野の方言だった。

これは10年以上前、怪しげな骨董品店の前を通りかかった時に目について、10000円を5000円に負けてもらって手に入れたアンティーク品 、

こいつのスゴイのは、持ち上ストロークが400mmもあり、今回のような作業にはピッタリ 。








はい、 石が寝た。




今日の話は、  一応オイラって石屋なんだっていう、 本業の話でした。


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